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2007年7月

2007年7月31日 (火)

P729mokurenmi P729lantanami P729onigurumi P729senryomi

 

 

 

  

 さて、写真だけでお分かりでしょうか。

左から、モクレン、ランタナ、オニグルミ、センリョウです。

参院選で投票に行ったら、投票所の近くの高校の植え込みで、モクレンと表示してある樹に実がなっていました。実だと思うんだけど。実のところモクレンの実というものは初めて見ました。

ランタナの実は金属光沢できれいですね。毒性があるそうですが、鳥は飲み込んでも消化できないものは排泄しますから大丈夫。種を広範囲にまいてあげるだけです。

哺乳類は、「歯」があってすりつぶして食べますので、その毒性が問題になるようです。我々も哺乳類、気をつけましょう。

センリョウの実が赤くなるといいな、と写真を撮ってパソコンで見たら、また何かいます。クモかな、何かの抜け殻かな、いかに肉眼では何も見ていないかということを痛感します。

働き者のアリ

Pict731mukuge_ari ムクゲの花の中にアリがいっぱいたかっていました。

きっとおいしい蜜が出るのでしょう。

 

と思ったら、

Pict731himawari_ari ヒマワリにもアリが。

写真を撮っているときの意識は花の方に向いているので、ありの存在にはたいてい気付いていません。パソコンで画像をチェックすると、「いた」になることが多いのです。

アリさんたちは至るところで仕事をしているようです。

オオカマキリの脱皮

7月31日昼過ぎ。オオカマキリの幼虫が脱皮を始めました。

Pict731kamakiri1 窓ガラス越しにさらに飼育ケースの中の写真を撮っています。白んだ感じはそのせいです。

この時点で腹はまだかなりの部分抜けきっていません。

頭は強く前へ曲げています。

  

  

Pict731kamakiri2

少し横側から撮れました。

脚も抜けていませんし、なんだかカマキリらしくない姿です。

 

  

 

 

 

Pict731kamakiri3

ほぼ抜け切りました。この時点で体を支えているのは腹部の先端だけです。また、今回足場が悪かったのか、抜け殻の脚もたった1本で枝に引っかかっているだけです。

ハラハラしました。今は脚をまず乾かし固めているところです。体はまだ柔らかいのです。

もし失敗して落ちたら、体がゆがんでしまうかもしれません。体がゆがむとえさを取りにくくなり、成長できなくなることも多いのです。 

 

Pict731kamakiri4

この時のカマキリの顔。悠然たるものです。

体の緑色と違って、脚の緑色は青緑色ですね。

   

 

Pict731kamakiri5

落とさないように注意しながら、大形の飼育ケースに移しました。

壁面に紙を貼ってあるので、もし落ちても、多少は足場がよいはずです。

カマをのばした独特のポーズもとったりしています。 

 

  

 

Pict731kamakiri6 脱皮終了。約1時間かかりました。

ホッとしましたぁ。

右上に抜け殻が写っていますね。

カマキリ自身はちゃんと紙に足を張って落ち着いたようです。

やれやれ。体が完全に固まったら、ハエでも入れてやりましょう。ごくろうさま。

   

Pict731kamakiri7

ところで、カマキリの目について最近面白いことを知りました。

阿達直樹 著「昆虫の雑学辞典」日本実業出版社、2007年5月10日初版

という本に紹介されていました。

 カマキリの目には偽瞳孔(ぎどうこう)という黒い点があり、どこから見ても、この黒い点が見えるため、まるでカマキリがこちらをにらんでいるように見えます。しかし、これは本当の瞳孔ではなく、複数の人が同時に見ても、どの人にもこの偽瞳孔を見ることができます。

 これは、筒状になった一つひとつの個眼のうち、観察者と向きが一致したものだけ個眼の下にある黒い部分が見えるために起こっているためです。

    

なるほど。ということは、複眼をもつ昆虫には原理的にはみんな偽瞳孔が見えそうですね。トンボ、チョウ、バッタなどで「瞳」を持つ複眼は確かにあります。今度、昆虫を間近で見るチャンスがあったらにらめっこしてみてください。トンボやチョウは動きが速いので見るチャンスが少ないですね。それに比べるとカマキリは、動かずにいるところをじっと見ることができるので、気づきやすいということもあるでしょう。それとカマキリの偽瞳孔は小さくくっきりしていますので、見やすいのです。

カマキリファンにとっては、このつぶらな瞳がまたかわいくて仕方ないのですがね。また、動くものがあると「きっ」と睨みつけるようなあの激しさ、貫禄がたまりません。

下のホームページがわかりやすいです。

http://musi.s6.xrea.com/nikki18.htm

http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/diary/200409/1095930578.html

ギンヤンマのヤゴの抜け殻

 7月27日夕方、庭に出ていたPict727ginyanma1 妻が柄杓を持って嬉しそうに飛び込んできました。

なんだ?と思ったらヤゴの抜け殻!これはこれまでに我が家の池で見てきたオオシオカラトンボのヤゴではありません。

「トンボ入門」新井裕 著、どうぶつ社、2004年7月.という本を見たら、これはギンヤンマのヤゴのようですね。

水にふわふわ浮いて立体的なので、まるで生きているようでした。

Pict727ginyanma2

頭の先に何か伸びているのは「アゴ」です。

正確には「下唇(かしん)」でしょう。先端は左右からエサを挟むカギ上の構造です。下唇全体は折りたたみ式で普段はたたんでいますが、獲物をとらえるときは瞬間的にそれを伸ばして獲物をとらえます。

写真に撮ってみて気づいたのですが、腹の節の背側に模様があって、各節の模様は基本パターンは同じなのでしょうが、連続的に変化していきます。面白いものですね。

詳しいことはわかりませんが、この脱皮で終齢幼虫になったのではないかと思います。

フラッシュをたいたら、何だかX線写真みたいな雰囲気の写真になりました。

P729ginyanma3

 7月29日、また別の抜け殻発見!

P729ginyanma4

ちょっと壊れてしまいましたが、これで一匹分です。

腹部が背側と腹側に割れたようです。

  

これで、2匹は確認できたわけですが、少なくとももう一匹はいるような感じです。

いつ羽化するのかわかりませんが、とても楽しみです。

2007年7月30日 (月)

東京タワー

P730tokyotower 今日、用事があって港区の三田のあたりを車で走りました。

東京はどんよりとした曇り空。ふと見たら、東京タワーのてっぺんがかすんでいました。タワーが、雲底に頭を突っ込んじゃったのですね。

それに気づいた交差点では停止できず。停止できたのは少し近づいてから。そんなわけで、タワーのてっぺんまで一応写っています。

大分かすんでいはいますが。

雲底が約300mということですね。

正式には、レーザー光線を発射して雲底までの距離を測るのだったと思いますが、こういう高さのはっきりした建造物があると、直視でわかります。面白かったです。

この写真を撮ってからしばらくたって、激しい雷雨になりました。

2007年7月27日 (金)

ムクゲとフヨウ

 この記事は、昨日、ムクゲとフヨウを区別できないままに書いてしまったものを、今日、妻に間違いを指摘されて、分離書き直ししたものです。ゴメンナサイ。

ムクゲの小さな小さなつぼみです。

P722mukuge2少し成長したつぼみ。

P722mukuge3

Pict724mukuge1もう開きそう。

P722mukuge4 花弁が顔を出し始めました。

 

724mukuge13

咲きました。

きれいですね。白い花をデジカメで撮るのは難しいです。

Pict724mukuge6

花の中央部をアップして見ました。

中央に立っているのが雌しべで、周りを囲んでいるのが雄しべでしょう。

「単体雄しべ」といって、「すべての雄しべが下部で合着している」と「写真で見る植物用語」に記載がありました。

ところで、雄しべの周りに白い「弁状のもの」が何枚かあります。「これは何だろうな?」と思って検索してみましたところ・・・。

http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/plants/card/0382.html
夏の3カ月を咲きとおす花として全国で親しまれている。ムクゲは韓国の国花でもあり、ムグンファ(無窮花)とよばれる。枝は繊維質で、手ではちぎりとることができないほどかたい。花の色はさまざまで、基本の一重のほかに半八重や八重の品種がある。

こういう記述にたどり着きました。

我が家のムクゲは「半八重」というにはちょっと、弁が少ないかなぁ、とも思いますが、とにかく、あの構造は「雄しべが弁状に変化したもの」だったことがわかりました。

やっと落ち着いた気分、ですが、花って「柔らかな構造」というのか「しなやかな構造」というのか、融通無碍に変化するものなのですね。改めて驚き入りました。

むくげ【木槿・槿】アオイ科の落葉大低木。インド・中国の原産で、日本で庭木・生垣として広く栽培。高さ約3メートル。枝は繊維が多く折れにくい。夏から秋にかけて一重または八重の淡紫・淡紅・白色などの花をつけ、朝開き夜しぼむ。白花の乾燥したものを胃腸カタル・腸出血などに煎じて用いる。古くは「あさがお」といった。大韓民国の国花。はちす。きはちす。ゆうかげぐさ。もくげ。[広辞苑第五版]

ムクゲを「無窮花(むぐんふぁ)」と呼ぶことは知っていました。(무궁화)。窮まることの無い花、という名前は大好きです。何かの小説で読んだのだったと思います。

http://www.hana300.com/mukuge.html
木槿 (むくげ)(Althea, Althaea)
・葵(あおい)科。                              
・学名  Hibiscus syriacus                      
          Hibiscus : フヨウ(ハイビスカス)属   
          syriacus : シリア(小アジア)の      

・開花時期は、  6/25頃~10/15頃。      
・中国原産。平安時代に渡来。                   
・中国名を「木槿(ムージン)」と呼ぶ。漢字はこの字があてられている。漢名の「木槿」の音読み「もくきん」が変化して「むくげ」となったとも、韓国の呼び方「無窮花(ムグンファ)」または「ムキュウゲ」が変化して「むくげ」となった、ともいわれる。
・朝方3時頃に開花した花は夕方にはしぼんでしまう「一日花」で、「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」(人の世ははかない、の意)に例えられているが、次々に別の花が咲くため長く咲くように見える。韓国では「無窮花(ムグンファ)」といい、国の繁栄を意味する花として国花になっている。
・「道のべの  木槿は馬に  食はれけり」: 松尾芭蕉(野ざらし紀行)      
  「それがしも  其(そ)の日暮らしぞ 花木槿」: 小林一茶         

最後にもう一回。雨に煙る、窮まりない花、をどうぞ(半八重です)。

P723mukuge12

 

 

ご近所でピンクのフヨウを見かけました。

これはつぼみ。先端に紅をさしたような、かわいらしいつぼみです。

P723mukuge7

美しい花です。

P723mukuge8 P723mukuge9          

花の中央を覗かせてもらうと、まるでムクゲと同じなのですが、違うのは雌しべが曲がって先端が立ち上がっているところ。これでフヨウとわかるのだそうです。

あとは樹形ですね。私はまだ修行が足りなくて、パッと見てフヨウとムクゲを区別することができません。未熟者です。

P723mukuge10

P723mukuge11

  

Beloperone(ベロペローネ、コエビソウ)

7月27日付「名前を知らない花」でご紹介しました花の名前が判明しました。「こえび草ではないか」というコメントをいただいて、さっそく、検索してみましたところ

「えび草」または「こえび草」だろうと思われます。

色合いなどから判断すると「こえび草(コエビソウ)」ではないかという感じを強く持ちました。

http://g-kamu.com/htm/koebi.htm
「コエビソウ」-ベロペロネ グッタタ-(Beloperone guttata )
キツネノマゴ 科・ベロペローネ属

メキシコ原産
海老の尻尾に似てますか? 重なり合った赤い苞から顔を出しているのが本当の花です。ベロをぺロッと出してるみたいで覚えやすかった学名が、最近は「Justicia brandegeana」に変わっているようです。 

(名古屋市立東山植物園・東・西花卉室)

私としては、赤いのはおそらく葉の変形だろうということで、その先端にあって見づらい位置にある花に関心がありました。

727beloperone1 これが普通に立った位置からこの花を見た様子です。赤い「苞(葉)」が連なって、これが「エビ(海老)」に見立てられたわけですね。

この位置からは「花」はあまりよく見えません。

727beloperone2 視点を下げていくとこうなります。花が見えてきました。

口を開いているようにも見えます。

  

727beloperone3727beloperone4_2 エビよりも、蛇の口という感じがしますね。

花弁は下が3枚、上は2枚でしょうか?

細かい毛が密生しています、老眼の肉眼では気づきませんでしたが。

雄しべは上の花弁にくっついています。雌しべがよく確認できません。

下の花弁の紫色の斑点模様が上から覗いているときにはよく見えます。

http://www.botanic.jp/plants-ka/koebis.htm
こえびそう (小海老草)
メキシコが原産です。わが国へは昭和時代のはじめに渡来し、花のの少ない冬に開花するので、冬場の鉢植えまたは切花用に温室で栽培されてきました。花のように見えるのは苞葉です。花弁は白く、紫褐色の斑点が混じります。名前は、この苞のかたちがエビの尻尾のように見えることから。
キツネノマゴ科コエビソウ属の常緑低木で、学名は Beloperone guttata。英名は Shrimp plant。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%84%E3%83%8D%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%82%B4%E7%A7%91
キツネノマゴ科
分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
目 : ゴマノハグサ目 Scrophulariales
科 : キツネノマゴ科 Acanthaceae

 キツネノマゴ科(Acanthaceae)は双子葉植物に属する科で、草または低木からなる。多くは熱帯産で、中南米、東南アジアなどに多い。250属2500種ほどからなる。アジアやヨーロッパなどの温帯にもわずかに分布する。日本にはキツネノマゴ(各地に多く見られる雑草)、ハグロソウ、スズムシソウなど数種の自生種がある。
 葉は単葉で対生する。花は葉腋につき、または穂状花序を作って花の付け根に苞葉がある。苞葉が美しく色づくものもある。がくは4-5裂し、花弁は筒状で、先はシソ科に似た唇状、あるいは5裂する。雄蕊は花弁につく。子房は上位で2室からなり、果実はさく果で2つに割れる。
 園芸植物も多く、代表的なものとしてアカンサス、コエビソウ、ヤハズカズラ、アミメグサなどがある(栽培には温室が必要なものも多い)

「キツネノマゴ」というのはなんだか楽しい科名ですね。

727beloperone5 

葉は典型的な「対生」です。

ところでこんな記述も見つけました。(太字は筆者による)

http://www.h7.dion.ne.jp/~omutabc/wklyphoto0619.html
この花は、メキシコ原産のベロペローネという花です。日本名を調べたましたら、「コエビソウ」とありました。花の形が海老の尻尾に似ているからだそうです。大牟田では、大蛇山という名前で売られているそうですが、そんな勝手なことしてもいいのでしょうか。
実は、赤や黄色の花びらに見えるのは、葉が変色したもので、その中から飛び出している白いものが花なのだそうですよ。また、暑くなるほど、赤が濃くなるそうです。

727beloperone6 アングルを少しひねって撮りました。

いかがでしょう?いかにも蛇が口を開け飛びかかってきそうな感じがしませんか?

このアングル、結構気に入りました。

名前を知らない花

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マンションの下の植え込みで見つけました。なんか、こう、知っているような、有名そうな、そんな感じが「脳をくすぐる」のですが、わかりません。

よろしく。

アリさんに聞いても教えてくれませんでした。

羽化の季節

727nukegara1_2 727nukegara2_2                   

またトンボが羽化しました。

多分オオシオカラトンボなのだろうと思います。

池の脇のネコジャラシに抜け殻が残っていました。

今朝、池の上で2匹のトンボが、飛び回っていました。

ひょっとして、前からここを縄張りにしているオスと、新しく羽化したオスのなわばり争いだったかもしれません。

賑やかですよ。

  

スパイダー・フラワー

昨日書き忘れただけです。何のことはない、シコンノボタンの別名だそうです。

727nobotan3 花弁が落ちて2日目の花です。

敢えて、アングルを「クモ」っぽく撮影して見ました。

そう言われればまあ、クモ(蜘蛛)みたいでしょうかね。

http://pcweb01.sakura.ne.jp/2007/07/post_246.html
紫紺野牡丹、紫色の長いオシベが特徴
シコンノボタン(紫紺野牡丹、Tibouchina urvilleana)は、ノボタン科ティボウキナ属(和名シコンノボタン属)の木。中南米原産の常緑低木。庭木、鉢植えとして親しまれる。
雄しべと葯(やく・雄しべの先端部分)がクモの足のようなのでブラジリアン・スパイダー・フラワーの別名がついている。

ということでした。

727nobotan1

これは昨日咲いて、多分、今朝、花弁を落としたての花です。昨日書いた特徴などが全部揃っていますので、ご覧ください。

 

727nobotan2

ピンボケも含めて、5滴の液滴が見えます。

「蜜」で昆虫を誘っているのでしょうか?

花弁を落としてからも花の構造をしっかり保ち、蜜を出しているというのはどういうことなのでしょう?

花弁は、視覚によって集まってくる昆虫向け、蜜は嗅覚によって集まってくる昆虫向け、とかあるんでしょうか?

花弁を落としてもなお、花は咲いているというべきなのかもしれません。

2007年7月26日 (木)

ツユクサ

Picttuyukusa 以前にツユクサの花の構造について書きましたが、それはそれとして。

こうやって改めて見てみると、毅然としたいい花ですね。

いや、すべての植物も動物もみんな毅然として己の命をきちっと生きています。

「人間なんてららららららららー」だよなあ。ニヒリスティックな気分になる私でした。

滝で涼をとってください

P721taki 六郷用水跡の遊歩道脇にある「滝」です。

関東地方はまだ梅雨明けの宣言は出ていませんが毎日真夏日になっています。

写真ででも涼をとってください。

モノサシトンボのメス

P720monosasitonbomesu モノサシトンボのメスを見かけましたのでご紹介します。

ちょっと暗がりにいて、ピントが甘くなってしまいました。

オスは青が目立ちますが、メスは茶色というか黄色っぽい色になります。

かわいいですね。

ヒマワリ

P720himawaritubomi ヒマワリのつぼみです。

P720himawarisakikake 咲きかけました。

P722himawarinohana 咲きました。

 

  

ひ‐まわり【日回り・向日葵】 キク科の一年草。北アメリカ原産。茎には剛毛を生じ、高さ2メートルに達する。夏、直径20センチメートルもの大形の黄色い頭花を開く。観賞用とし、また種子から食用油をとる。太陽を追って花がまわるという俗説があるが、実際にはほとんど動かない。園芸品種がある。日輪草。ひぐるま。[広辞苑第五版]

P722himawarihanahairetu

頭状花序(頭状花、頭花)というのですね。小花がいっぱい集まって咲きます。その配列がきれいに見えています。この配列は花が終わって実がなるときにも再びきれいに見えるようになります。

螺旋を描いているように見えますが、この配列には「フィボナッチ数列」というものがかかわっています。自然の中の数学という話でとても有名です。チャンスがあったらいずれその話しも書くことにしましょう。

P725himawari 花が咲くと配列は見づらくなります。小花を観察してください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%AD%E7%8A%B6%E8%8A%B1%E5%BA%8F

ここに頭状花序の良い説明があります。ご覧ください。

テントウムシの抜け殻

721tentounukegara これも六郷用水跡の遊歩道で見つけました。

お尻の所で体を葉っぱに固定していたことがわかります。

 

721tentounukegara2 よく見てください。腹部の先端に皮が残っていますよ。

蛹になるときに、まず腹部の先端を葉にきちっと固定したのですね。

それから、終齢幼虫のときの皮を体の上から脱いで後ろへ送りました。

すでに腹部の先端は固定されていますから皮はそこにたまってしまいました。

爪先を床につけたまま靴下を脱ぐことを考えてください。爪先を絶対に床から離さないとしたら、靴下は爪先にたまったままで終わりますね。どうしても脱ぎ捨てたければ靴下を切り開くしかないでしょう。

テントウムシの抜け殻は、そういう状況を示しています。で、皮を割って脱ぎ捨てるまではしなかったので、皮が残っています。

アゲハやアオスジアゲハの終齢幼虫が蛹化の脱皮をする時は、皮を頭の方から脱ぎ始めて、腹部の先端へ送っていきます。腹部の先端に集まった皮を、蛹はひょいと一瞬でまたいでしまうのです。で、皮は脱ぎ落されます。腹部の先端はカギ状になっていて、またいだあと再び糸のマットに引っ掛けて体を固定します。

ですから、蝶の蛹の腹部の先端には皮は残っていません。テントウムシの蛹とはそんなところが違っています。

観察してみてください。

ダツラ・メテルの種

P721daturametel 六郷用水跡の遊歩道沿いに植えられていたダツラ・メテルなんですが、切られてしまいました。

実のトゲトゲで誰かが怪我でもして区に抗議でもいったのでしょうか?

「アレッ、なくなっちゃった!」とまあ、がっかり。ひとつだけ実の残骸があったので頂いてきました。

Pict721daturami1 ばらして見ました。トゲトゲをはずすと中に種のはさまった実がありました。

種は12個しか残っていませんでした。

Pict721daturami2 これがその実です。

湯煎でもして抽出したら、薬用成分が溶け出すかもしれませんが、これっぽっちじゃ効き目もないでしょう。

化学教師としていっぱい毒劇物を扱ってきた者としては、どうということもない代物ですが、「毒草だ」と緊張してしまう方もいらっしゃるのかもしれません。

そんなことも、切り取られてしまったことの一因なのかな、とも想像します。

かわいそうにねぇ。植物には何の罪もないし、毒草なんてほかにいくらでもあるのにねぇ。

黄色いオシロイバナ

Pict721kibanaosiroibana1 Pict721kibanaosiroibana2               

今まで、赤や白や、いろいろなパターンで混ざった紅白・ピンクのオシロイバナを紹介してきましたが、今度は黄色いオシロイバナです。

ちょっと珍しいでしょ。

大事にしています。

シコンノボタン

Pict722sikonnobotan1 Pict724sikonnobotan2            

Pict724sikonnobotan3   

  

  

シコンノボタンのつぼみが成熟していく過程です。つぼみの先端に濃い紫色が見えたと思うと、やがて花が姿を現してきます。

まるで、筆に濃い墨を含ませたような感じです。

ここから一日。

Pict725sikonnobotan4 花が咲きました。ビロードのような質感のある、濃く深い紫が印象的です。

 

 

 

Pict725sikonnobotan7 花の後姿もお見せしておきましょう。

ここまでは以前からよく知っている姿でした。

  

の‐ぼたん【野牡丹】ノボタン科の常緑低木。アジア南部・オーストラリアに広く分布し、日本でも沖縄に自生。また、観賞用に温室で栽培。高さ約1メートル。全株に淡褐色の剛毛を密生。葉は卵形または楕円形、革質。初夏、枝頂に紅紫色の五弁花を開く。果実は壺形で、鱗毛を密生。漢名、山石榴。メラストマ。[広辞苑第五版]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3
シコンノボタン(紫紺野牡丹、Tibouchina urvilleana)は、ノボタン科ティボウキナ属(和名シコンノボタン属)の木。・・・。ノボタンは短いオシベが黄色で長いオシベは紫色、シコンノボタンは長短のオシベが共に紫色である。

というわけですが。ブログを書くようになって、今の私の「眼」がやたらと花の構造に向かっているのですね。で、花をクローズアップしてみると

Pict725sikonnobotan5

なんだか雄しべの様子が複雑なんですねぇ。

花の奥から花糸が伸びてきて、一対の葯がある。ここまではいいのです が、花糸は更に先へ伸びていきます。何だぁ?

 

Pict725sikonnobotan6

 

 

 

Image002

大げさに描くとこんな風。「鎌」みたいです。

しかも、こういう雄しべが10本あるのですが、どうも二つのグループに分けられるように思えます。

Pict726sikonnobotan14 写真に書き込んだ番号で、1~5が大きめで手前下に出てきている雄しべです。葯が大きめです。

それに対して、6~10の雄しべは小さめで、上の少し奥のほうにあります。葯も小さめに見えます。

この二つのグループで何か花にとっての役割が異なっているのではないかと思わせますが、検索してみたところ2件そのような話を載せていました。

http://0424hana0714bun.blog63.fc2.com/blog-date-200608.html
・・・短いオシベと飾りオシベとがあり その先がまるでカニかクモの足のようになっている・・・

http://nekobiyori.cocolog-nifty.com/days/2005/08/post_7925.html
シコンノボタンの花粉の写真を送っていただきました。左が目立つ雄しべ、右が目立たない雄しべの花粉。染色してあって、赤く染まっているのは正常な花粉。染まっていないのは抜け殻、花粉だまし、だそうです。

下の話では、「目立つ雄しべの花粉は『花粉だまし』、目立たない雄しべの花粉は『正常な花粉』」だということです。

目立つ雄しべ=多分「飾り雄しべ」、というのは私の写真の番号では1~5なのでしょうね。ふ~ん。

いろいろ不思議なことがあるものです。

Pict725sikonnobotan8 雄しべ一本だけをクローズアップして見ました。葯から先に、何か構造があります。細いものを縦に二つ折りにしたような、またしわしわの合わせ目が・・・。

Pict726sikonnobotan9 翌日、この花は散っていました。散ったといっても花弁が落ちただけで、花の中の構造はしっかり保たれています。ますます「鎌」のような雄しべがよく見えるようになりました。

 Pict726sikonnobotan10             

上の写真の右端の雄しべと、この写真の雄しべの下に、何か「液滴」がついているのがわかると思います。

指で触れてみると粘っこい液体でした。なめてみると、液量が少なくて確実なことはいえませんが、甘い味がしました。

これ、糖分の溶けた液体のようです。ということは、これは花粉を媒介してもらうために、昆虫を呼ぶための装置ということなのでしょうか。そんな気がします。

Pict726sikonnobotan11

もう一回、雄しべを観察していただいて、そろそろ終わりにしましょう。

  

 

Pict726sikonnobotan12 Pict726sikonnobotan13 新しい花が咲きました。

そして咲きたてのときの雄しべの様子です。よく見ていただくと、雄しべの先端は少し色が違って、青みがかっています。

不思議だなぁ。まったく。

2007年7月24日 (火)

白山神社の狛犬

720komainu1 白山神社の庚申堂を前にご紹介しました。その時は気づかなかったのですが、この神社の狛犬がなんだか素敵。

こま‐いぬ【狛犬】(高麗犬の意) 神社の社頭や社殿の前に据え置かれる一対の獅子に似た獣の像。魔よけのためといい、昔は宮中の門扉・几帳(キチヨウ)・屏風などの動揺するのをとめるためにも用いた。こま。[広辞苑第五版]

子狛犬が甘えていますね。かわいい姿です。

母狛犬が右手で子を抱えています。

720komainu2 720komainu3            

じゃれつく子狛犬とあやす母狛犬。

狛犬ってこういうものでしたっけ?玉を押さえている姿は知ってます。特に何もなく座っているだけというのも知っています。こういう親子の狛犬は初めてでした。

上の写真の狛犬は神社を外から見て左側の狛犬。対の狛犬はこんなです。

720komainu4 720komainu5            

こちらも親子。こっちは父子かな。子狛犬の左前足がちょんと親の左足に乗っています。仔猫と遊んだ経験からすると、ちょっと冷やっこくって、柔らかくて、たまらなくかわいい、という感じですねぇ。

  

720komainu6

「明治三十九年五月吉日」とありました。

知らないことばかり多くて、楽しいですねぇ。

しばらく心和む気分でした。

  

  

ネットで検索してみました。

http://oguri.cside1.jp/sandohitokuti.htm から

「玉」や「子狛」がいる狛犬は4割弱である。

そのうち右から「玉・子狛」の組み合わせが6割弱ある。
他に「子狛・子狛」「子狛・玉」のものもかなりある。
特に東京では「玉・子狛」以外のものが圧倒的に多い。

子狛は親狛の前足で押さえられたものが多いが、親の背中に乗っていたり、オッパイを飲んだりして表情の豊かなものもある。

ここには、集計もあります。すごい人はすごいものだと感心しました。

http://blog.livedoor.jp/nekosuki600/archives/50768274.html から

・子連れ系
 けっこう子連れも多いんですよねえ。千葉県柏市の柏神社の事例・茨城県守谷市の八坂神社の事例・台東区浅草橋の銀杏岡八幡宮神社の事例など。
 茨城県鉾田市の金刀比羅神社の事例では、子狛犬が二匹おいでになります。また、茨城県取手市の八坂神社の事例では左右ともに子連れ。
 子狛犬も、おとなしくしているのやら、おとーさんだかおかーさんだかにじゃれついているやつ、一緒になって吼えてるやつ、おっぱいを飲んでいるやつなど、実にさまざま。

そうだったんですねぇ。狛犬ってそういう風なものだったとは知りませんでした。

いや、認識不足だった。恥じ入ります。

でも、まあ、いいものを見ましたよ。

ツマグロヒョウモンの幼虫

「毛虫・芋虫」が苦手な方はご覧にならない方がいいかもしれません。

ツマグロヒョウモンという南方系の蝶の幼虫です。スミレやパンジーなどに、やたら「派手派手しい」やつがいたら、そうです。

別に毒も何にもありません、刺すわけでもありません、かわいいやつです、じっくりご覧ください。

724tumagurohyoumon1  

「一匹しかいないつもりだったのに、もう一匹いたんだっけ? 」と思ったわ、と妻。右上に写っているのは抜け殻です。

左の大きな奴の抜け殻です。

724tumagurohyoumon2 これがそう。

きれいに脱ぎ捨てたものです。

まるで生きているみたいです。

724tumagurohyoumon3 大きい方のアップ。少し側面から。

お尻の先にあるのは糞。立派なウンチです。

大きな幼虫は、大きな糞。

小さな幼虫は、小さな糞。

動物みんなウンチ、なのです。

オオシオカラトンボの交尾・産卵

724siokarakoubi1 昼食を終えて庭の様子を見に出たら、池でオオシオカラトンボが交尾中。

このアングルで下がメス、上がオスです。

(シオカラトンボと言いならしていたのですが、どうもオオシオカラトンボらしいです。オスの後ろ羽の付け根が黒いし、眼が真っ黒に近いし・・・。)

シオカラトンボ       Orthetrum albistylum speciosum
オオシオカラトンボ Orthetrum triangulare melania
学名はこうです。オオシオカラの方は、「黒い三角形」というような名前のようですね。

724siokarakoubi2 724siokarakoubi3            

ちょっとだけアングルをずらして背景を変えて撮影して見ました。なにせ4mくらい離れた場所からのズームですのであまり細部にわたってクリアな画像にはなっていません。ご勘弁を。

  

オス・メスともに、生殖孔は、腹部の後端にあるのですが、交尾に際して、オスはその腹部後端でメスを把握し確保しなければなりません。で、実際の交尾のときには交尾器として使えなくなってしまいますので、あらかじめ精子を腹部の前の方、第2節でしょうか、そこにある交尾器に移しておきます。メスは腹部の先端をこの交尾器にあてがい精子を受け取ります。そのため写真のような格好になるわけです。

オスがメスの頭部の付け根のところではさむ姿がよく知られていますが、ここに写ったオスは、メスの頭部をつかんでいるようですね。

交尾後、産卵が始まりました。

724siokarasanran1

メスは水面近くでホバリングし、時々水面におりて、腹部の先端で水面を後ろから前へたたき、水が前方に跳ね飛ぶような激しい動きで産卵をします。

724siokarasanran2 見づらくて申し訳ないのですが、「male」と書いたところ、棒の先端にオスがいます。「female」と書いたところでメスが産卵しています。

オスはこのようにメスの上の方で、どこかにとまっていることもあるし、ホバリングしていることもあります。

メスを見守り、「守っている」とよくいいますが、ひょっとすると、自分の精子で受精した受精卵を確実に産ませるために、他のオスが来て新たな交尾をしてしまわないよう、ガードしているとも考えられます。

自己の遺伝子を確実に子孫に残そうという戦略でしょう。

この産卵が一応済んだ後のメスも、すべての精子を使いきってしまってはいませんので、捕獲して、羽を持ち、腹部の先端をコップの水などにつけてやると産卵してくれることがあります。目の前での産卵は感動的なものです。

また、その受精卵から孵化した小さなヤゴはまるでガラス細工のように透明で美しいものです。

もしチャンスがあったら試みてみてください。ただ、私の願いとしては、命を無駄にしないように、産卵後のメスはまた空へ放ってやってほしいし、孵化を見ることができたら、ヤゴを池などに放してやって、命を存分に生きさせてやってほしいと思います。

高撥水性表面

こんな記事を読みました。

ナノインプリント法で高撥水性の表面をつくる: 「現代化学」2007年7月号、東京化学同人
 ナノメートルスケールの模様を刻印するナノインプリント法を用いて、高撥水性の高分子薄膜を得ることに、九州大学先導物質化学研究所の化学者が成功し、第56回高分子学会年次大会(京都)で発表した。
 用いた高分子は、長鎖フルオロアルキル基をもつポリ(2-ペルフルオロオクチル)エチルアクリレート(PFA)である。この高分子の薄膜(膜厚500nm)をケイ素基板上につくり、ここに500nm間隔の縞状の溝が入った型を2回押し付けて、格子状の模様を刻印した。PFA自体も撥水性だが、この模様により、ハスの葉のような微細構造による撥水効果が現れ、濡れにくさを示す接触角は120°から150°以上に向上した。
 通常の高分子は、十分に軟化させてから型押ししなければならない。一方、PFAは棒状の側鎖が基盤の垂直方向に向いて無数に並んだ構造をもつため、基盤に垂直に力を加えるだけで側鎖がずれて変形する。高分子の特性を生かした簡便な撥水性表面作製法である。

CH=CHCOO(C)C17

モノマー(単量体)はこんな分子でしょうか。これが二重結合によって重合してポリマーになったものがPFAだろうと思います。

すると、炭素の鎖にフッ素が付いた撥水性の鎖がケイ素基板上にずらっと並ぶことになるのでしょう。炭素にフッ素が付いたものは「テフロン(商品名)」などでよく知られているように、それだけでよく水をはじきます。

ところが、その撥水性の表面にくしの歯のような溝を直交した形でつけてやると、ナノスケールの四角柱が立ち並ぶような格好になるわけです。

すると、素材自身は同じものなのに、撥水性が増大して「高撥水性表面」ができたというのです。

つまり、マクロな「撥水性」という性質は、素材自身のもつ撥水性と、表面構造による撥水性と、二通りあるということなのですね。

P717suitekionha この写真を見てください。緑色の葉はホウセンカの葉です。右の薄紫の葉はカタバミです。

植物の葉の表面は撥水性のある「クチクラ」という組織でおおわれています。その撥水性の程度に植物の種類によってどの程度の差があるのかはよくわかりません。

さて、ホウセンカの葉は、雨のしずくによって「ベタッと濡れ」たわけではありません。ある程度水をはじいています。「素材の撥水性」によるものでしょう。

ところが、カタバミの葉は見事に水をはじいて、真ん丸な水滴になっています。

想像するに、カタバミの葉の表面には微細な「毛」か「突起物」があって、。「素材の撥水性」に加えて、「構造による撥水性」があるのだと思われます。

「葉っぱの上の真ん丸水滴」はハスの葉やサトイモの葉の専売特許ではなかったのですね。カタバミの葉を見て改めて植物の葉の濡れ具合に関心がいくようになりました。

P717suitekionrakkasei 

これは落花生の葉の表面の水滴です。これもかなり強い撥水性を示しているようですね。

私のホームページも参照してください。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/57th/sci_57.htm

2007年7月20日 (金)

ナガゴマフカミキリ

Pict717kamikiri1 こんなカミキリを見つけました。カミキリとしては触覚が短め。口器もさほど目立ちません。「おまえは誰だ、名を名乗れ」といっても、無口なやつで名乗りません。

なーにかなぁと検索していたら、

http://www.h3.dion.ne.jp/~moth2001/6-87.html ここの写真を見て確定です。

Pict717kamikiri2

プラスチックの壁にのぼりそこねて落っこちて腹を見せてくれました。

  

 

 

Pict717kamikiri3

頭部側からのスナップです。

http://www.insects.jp/kon-kaminagagomafu.htm によると

ナガゴマフカミキリ甲虫目 カブトムシ亜目 カミキリムシ科 フトカミキリ亜科
Mesosa longipennis大きさ 13-22mm
時 期 5-7月
分 布 北海道・本州・四国・九州

黄褐色と灰色のまだら模様に、細かな黒点を散りばめたカミキリムシ。樹皮にとまっていると保護色になって見つけにくい。
サクラ、イチジク、フジ、柑橘類など、いろいろな樹木の枯れ木や伐採木に集まる。幼虫はこれらの木を食べる。

我が家では何を食べて育ったのやら。なんだか私の家、いったいどんなところにあるんだ?という感じですね。東京都の端っこです。

アメンボ

P719amenbo1 前回アメンボを紹介した時は、せわしなく動き回ってうまく写りませんでしたが、今回は、休息中に出会いました。

まずは、水面のくぼみをご覧ください。前脚2本によるくぼみは一つにまとまってしまっています。

P719amenbo2 ずいぶん大きな目ですね。

P719amenbo3

翅の模様まで見えました。老眼の肉眼ではとても見えないものです。パソコンの画面で見て、おぉ~っと感動しました。

昆虫見てると癒されるなぁ~。(当然皮肉入りです。)

モノサシトンボ

P719monosasitonbo1 モノサシトンボが休息中。今までになく近寄って撮影できましたので嬉しくなってご紹介します。

尾部付属器というのまで写りました。

 

 

 P719monosasitonbo2

尾部の先端にピントが合って頭のほうがぼけるというぎりぎりまで近づいた写真です。

撮ってる側がどきどきしてしまいました。

ゴーヤーがなっています

P719goya ご近所のゴーヤーです。

立派な実が4,5本なっています。

れい‐し【茘枝】①ムクロジ科の常緑高木。中国南部原産。葉は大きな羽状複葉。枝先に花弁のない小花を綴る。果実は卵形でリュウガンに似るが、やや大きい。外面に亀甲紋があり、赤く熟す。果肉は多汁で香気があり美味。ライチー。茘枝
②ウリ科の一年生蔓草。雌雄同株。熱帯アジア原産で、日本には中国から渡来。夏秋の頃、黄色の小花を開く。果実には疣イボ状突起があり、熟せば裂開して紅色の肉をあらわす。果肉に苦味があり、青いうちに野菜として食用、また観賞用。ツルレイシ。苦瓜(ニガウリ)。沖縄で、ゴーヤー。[広辞苑第五版]

②のほうですね。私は苦味は比較的苦手です。苦み走ったジイチャンにはなれそうにありません。

フウセンカズラ

P719huusenkazura 草丈10cmくらいで花が咲いてしまった、とすでに書きましたが、実がなりました。

まだ未成熟ですが、風船がふくらんでます。

こんなに早い時期から実るんでしたっけ?

ウ~ム。

アシナガバチ

P719asinagabati このところ庭にアシナガバチが2,3匹姿を現しています。

巣をつくってほしくないなぁ。さすがに巣をつくられると、処分せざるを得なくなりそうです。

ところで、このハチが「セグロアシナガバチ」なのか「キイロアシナガバチ」なのか、よくわかりません。気分的にはセグロアシナガバチではないかと思うのですが。決定的な姿が撮れませんでした。出会いがしらのようなシャッターチャンスなので。

アオスジアゲハの吸蜜

P720aosuji1 線路内の花でアオスジアゲハが吸蜜しているところをみかけあわててシャッターを切りました。珍しい姿が写りました。

なにせ、アオスジアゲハは行動が素早い。この写真を撮った直後、飛び去って行きました。

P720aosuji2 こんなぶれた姿を残して・・・。

2007年7月17日 (火)

オシロイバナの花の色

P709osiroibana◆私の家のオシロイバナは赤なのですが、ご近所にこういう咲き方をしているオシロイバナがありました。

同じ茎から分岐して咲いているのに、赤い花と紅白の「絞り」というのか「斑入り」というのか、異なる色の花が咲いているのです。

まいったなぁ。高校レベルで学習するメンデル遺伝ではありません。

Osiroibananoiro 見てください。赤一色の花、白一色の花、ピンクの花、斑入りの花・・・。

もうこうなったら、どんな混ざり具合でも驚きませんね。

少々(かなり)呆れ気味です。

◆これはいったい何なのでしょう?

おそらく「トランスポゾン」という「動く遺伝子」のせいです。

オシロイバナの花が赤いというのは、赤い色素をつくる酵素を遺伝子が作るからです。

その酵素を作れなくなると、花は白くなります。

赤い色素をつくる酵素の遺伝子の働きが弱くなると多分花の色がピンクになるのでしょう。

トランスポゾンが酵素の遺伝子に割り込んで酵素が作れなくなると、白い花になるのでしょう。

◆このように、花の色がかなり無茶苦茶に変わるというできごとは、アサガオについてよく知られています。江戸時代から好事家が変わりアサガオを育ててきました。

アサガオの花の変化については、日本経済新聞社の「日経サイエンス」2001年9月号に

、仁田坂英二「変化アサガオの歴史と遺伝学」という論文が載っており、詳しく解説されています。トランスポゾンの話も詳しく載っています。

この雑誌が手に入らない方は、下のホームページを見てください。同じ著者の同じテーマの論文が掲載されています。

http://www.opack.jp/fair/a/a_6.html

ここに載っているアサガオの写真を見ると、冒頭に私が載せたオシロイバナの花の変化とほぼ並行な関係がありそうです。

http://mg.biology.kyushu-u.ac.jp/index.html

同じ仁田坂さんのアサガオの話が上のサイトから読めます。ここから「咲き分け・枝変わり」というページに行くとトランスポゾンによる変化の解説があります。また、アサガオの遺伝子リストなどもありますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

◆オシロイバナの花の変化については、

http://jshs.ac.affrc.go.jp/congress/2004sp/16spring.htm によると

平成16年度園芸学会春季大会で「オシロイバナにおけるトランスポゾンの単離とベタシアニン合成系遺伝子候補の探索」という発表があったことがわかります。内容までは調べがつきません。

◆トランスポゾンについては以下のサイトなどを参考にお読みください。

http://www.fiberbit.net/user/biology/QA/items/seibutu69.html

http://www.plantbiotech.sci.ynu.ac.jp/meiosis/transposon.html

http://www2.tky.3web.ne.jp/~hidamari/suppl001.html

http://www2.kobe-u.ac.jp/~hkata/kenkyunaiyo%20PEACE.htm

http://www2.kmu.ac.jp/ann70/tenkai/makino/textm5.html

◆遺伝子が動き回る、などと聞くと、なんだかむずむずした気分です。

トランスポゾンが遺伝子に割り込んでその遺伝子の機能を失わせるということだと、トランスポゾンは「悪者」のように思われるかもしれませんが、そうとばかりは限らないのです。

遺伝子の機能が変化して、適応度が下がると子孫を残せなくなるかもしれませんが、「多様性を増加させる」というふうにもとらえられるのです。進化というのは直線的に「優れたものになる」というようなことでは全然ありません。

多様性を増し、環境、生態系のなかで新たな位置・地位を開発していくことなのです。「トランスポゾンというメカニズム」も、その多様性を獲得する原動力の一つとなっているのかもしれません。

◆2007年7月6日の朝日新聞にこんな記事が載っていました。

    「刷り込み」の起源 DNA断片が関係? 東京医科歯科大
 哺乳類で、遺伝子が父親由来か母親由来かで働いたり働かなかったりする「刷り込み」の起源には、動きまわるDNA断片「レトロトランスポゾン」が関係しているらしいことを、東京医科歯科大の石野史敏教授らが突き止めた。
 注目したのは、レトロトランスポゾンが変化したとみられる、胎盤形成に欠かせない遺伝子Peg110。この遺伝子は哺乳類でも卵を産むカモノハシなど単孔類にはなく、カンガルーなど有袋類とマウスやヒトを含む真獣類にあることを確かめた。このため哺乳類の進化の過程で、有袋類の先祖に入り込んだレトロトランスポゾンがもとになったと考えられた。
 詳しく調べると、有袋類のPeg10も真獣類と同様、母親に由来する場合は、DNAにメチル基がつく「メチル化」で遺伝子の働きが抑えられていた。しかし、父親由来の場合はメチル化されずに働いていた。
 メチル化は、外来の遺伝子を抑える仕組みとして生物体内で使われている。「Peg10の働きを抑えるためにメチル化したが、何かのきっかけで父親由来の場合はメチル化されなくなり、これが刷り込みの起源になったのではないか。こうした考えが、レトロトランスポゾンがもとになった他の遺伝子についてもあてはまるかどうか調べていきたい」と石野さんは話している。

◆「源平咲き」という言葉を見つけました。上に紹介した神戸大学のサイトです。

ハナモモの中には源平咲きという一本の木にピンクの花や白地にピンクの斑が入った花が咲く咲き分け系統があります。

面白い言葉ですね。オシロイバナにも「源平咲き」がある、ということにしましょうか(勝手に)。

ツユクサ

ツユクサについては6月5日と7月10日の2回、すでに書きました。

7月10日に http://homepage2.nifty.com/hih/C.communis.htm のサイトをご紹介しました。

そこで、ここに書かれている説明をもとにして私が撮った写真を詳しく見てみました。

P709tuyukusazu

1:花弁

2:X字型雄しべ。3本。花粉はできないようです。

3:逆V字型雄しべ。1本。花粉はできるけれど、この花粉が受粉しても種子はできない、そうです。で「仮雄しべ」というそうです。

4:O字型雄しべ。2本。受粉能力のある花粉ができます。

5:雌しべ

6:白い花弁。

7:(多分)半透明の萼。

8:苞葉

 と、こんな構造です。こんな複雑な構造になっているとは全く知りませんでした。

Pict711tuyukusa1 上の構造を思い出しながら、角度を変えてもう一回花全体を見てください。

Pict711tuyukusa2

この緑色が苞ですね。

Pict711tuyukusa3

苞を開いて花を後ろから見ると、今咲いている花の後ろに、なんだかもうひとつ、花になり損ねたのかな?という感じの黒ずんだ「包み」がありました。

苞の付け根のあたりに突起のようなものもあります。

Pict711tuyukusa4

苞の中身を完全にむき出しにして横から見てみました。

右下向きにとんがった白い花弁があり、その下に2枚、青い花弁の後ろに1枚、半透明の萼があるようです。

Pict711tuyukusa6

先端がくるっと丸まっているのが雌しべ。

その付け根には「子房」があります。

また、半透明の萼3枚も見えるように他の部分を取り去って見ました。

Pict711tuyukusa7

直上と同じものです、角度を変えてみました。

いやー、複雑です。見慣れているつもりでしたが、こんな花の構造だったとは知りませんでした。

◆上に引用したサイトでは、一つの苞に包まれて2つの花が咲いている写真もあります。ということは今回観察した花の後ろについている「青黒いかたまり」これも花として咲くのでしょうか。よくわかりませんでした。

◆「雑草のはなし」田中修 著、中公新書、1890 では、

オオイヌノフグリ、ツユクサ、オシロイバナ、マツバボタンなどについて、基本は他家受粉だが、万一、多家受粉が成立しなかった時の保険として、花がしおれる頃になると自家受粉をする、という記載があります。

上に引用したサイトでは、

「ツユクサの花の自家受粉:早朝まだつぼみの時期に、つぼみを開いてみると、めしべの柱頭には花粉がついている。つまりつぼみのうちにすでに自家受粉しているので、他家受粉がおこりにくいと言える。」

と書かれています。植物学をきちんと学んだわけではないので、どちらが正しいのか、私には判別しかねます。

より詳しくご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

◆学ぶべきことのなんと多いことよ。楽しいですねぇ。

ビヨウヤナギの実

Pict713biyouyanagimi1 大分熟してきたように見えます。

割って見ました。

Pict713biyouyanagimi2 中はこうです。

ぷちぷち小さいものが、表面に対して直角方向に並んでいますが、これが種でしょうか?よくわかりません。

そもそもビヨウヤナギに実がなるなどということは今まで考えてもいませんでしたので。

さらにまた時をおいて観察してみましょう。

オオカマキリ食事中

Pict716ookamakirisyokuji 説明の要なしですね。

むしゃむしゃと食べています。

モノサシトンボの産卵

Pict716itotonbosanran1 メスの首のところを挟んで立っているのがオスです。

 

Pict716itotonbosanran2  

メスが腹部を曲げて産卵しています。水草の茎に卵を産みつけているのでしょう。

 

Pict716itotonbosanran3

写真を撮っていることに気付いて、いったん飛び上がりましたが

Pict716itotonbosanran4 すぐ戻りました。

 

 

Pict716itotonbosanran5

 眼が合ってしまった。

失礼しました。元気でね。

またシオカラトンボが羽化しましたよ~

Pict716siokarauka またシオカラトンボが羽化しました。

我が家の小さな池も住民がいっぱいです。

Pict716siokaranukegara1 Pict716siokaranukegara2            

 多分、上のトンボの抜け殻です。池に浮いていました。

2007年7月16日 (月)

名前不明の甲虫

Picthumeikoutyu 体長5~6mmしかない小さな甲虫です。

ゴミムシかハムシの仲間ではないかと思うのですが、どうにも名前がわかりません。かわいいやつです。

名前がお分かりの方、ぜひ教えてください。

落花生の花

Pict716rakkasei1 落花生の花がいっぱい咲いています。

山吹色とでもいいますか、濃い黄色がきれいです。

たしかに豆の花です。

Pict716rakkasei2

すでに咲き終わった花の、これ、名前は何と言うのかな、土の中で実を稔らせるべく、下向きに伸びています。

「落花生」の由来ですね。

トカゲ

Pict716tokage 今回は走り去る姿ではなく、道で出くわして、しばらくにらみ合ってしまいました。

きれいですね。前回顔を合わせた個体よりずっと小さく、5cmくらいしかなかったようです。

すぐ走り去っていきましたが、一瞬クローズアップに成功しました。

実生のイチゴ

Pict716itigo ホウセンカの花が咲いたプランターの中に、イチゴの小さな葉が出ていました。ランナー(走出枝)から出たものではありません。

ということは、意識しないうちに、イチゴの種まきをしてしまったようです。

ランナーから出た個体は、元の個体と遺伝子構成が同じクローンですから、実がなれば同じ味です。

ところが、実生となると、遺伝子が撹拌されていますから、親固体とは遺伝子構成が変わります。多様性が増す、ということですね。ということは、味も同じとは限らなくなるわけで、人間の舌にとっておいしいかどうかはもう分りません。

育ててみましょう。どういう個性のイチゴになるのかな?

ホウセンカ

Pict716housenka1 ホウセンカが咲きました。

ちょっと草丈が短すぎるので、変なのですが、咲きました。

話が連綿として続いているのでして、爪紅の色素がホウセンカだということを妻に話したら、あらホウセンカなら咲いているわよ、ということでビックリして写真を撮り、ご紹介に至りました。

ほうせん‐か【鳳仙花】 ツリフネソウ科の一年草。東南アジア原産。高さ30~60センチメートルで軟質多汁。夏、赤・白・紫・絞りなどの花を横向きに下垂する。果実は熟すと開裂して種子を飛散。観賞用。花で爪を染めたので爪紅(ツマベニ・ツマクレナイ)ともいう。沖縄で「てんさぐ」という。[広辞苑第五版]

私の子供のころの記憶としてのホウセンカは花より実のほうでして、あのものすごいはじけ方が面白くて、ホウセンカの実の熟すころになると、やたらとはじけさせて遊んだ記憶があります。

ホウセンカの花、今こうして改めて見てみると、複雑なんですねぇ。

Pict716housenka2

花を横から撮ってみました。右に曲線を描いて伸びているのは萼が伸びた「距」というやつですね。上と下にとんがっているのも多分、萼なのだろうと思います。

花を正面から見るとこうです。

Pict716housenka3 奥に見えているのは多分、雌しべ。

花弁は5枚なのでしょうか?花がいっぱい咲く季節になったら構造を調べてもいいのですが、今年最初の花ですから、そっと眺めるだけにしましょう。

このホウセンカの花が咲いているのは下の写真のプランターです。

P716housenka4

まだ双葉だけのもあるし、双葉の上に本葉がでたのもあるし、もう双葉がなくなったのもあるし。そうして、花の咲いたのもある、という、なんだか不思議な状況なのです。

おまけに、写真の右隅。カタバミまで写っていますね。ホウセンカの花とカタバミの話が続いてきたところで、なんとも素敵な取り合わせとなっているのでした。(トップの写真の奥にもカタバミが写っていますよ。)

[参考になるHP]

http://www2.tky.3web.ne.jp/~hidamari/photo140.html

http://www2.tky.3web.ne.jp/~hidamari/genus006.html

ぜひご覧ください。

オキザリス・トライアングラリス

P707oxalistriangularis 7月9日に「名前がわかりません(4種)」としてアップした中に、「巨大なカタバミ」のような花、というのを書きました。

名前が判明しましたので改めて写真と共にご紹介します。

Pict716katabami

こちらが通常のカタバミです。とても小さな草です。でも、基本的な姿形がよく似ていますでしょ。

 

 

http://blog.so-net.ne.jp/oktoshi2004/archive/200509 から引用します。
今日は「オキザリス ・トライアングラリス」です。
学名は Oxalis triangularis
別名はムラサキノマイ(紫の舞)、インカノカタバミ、カラスバオキザリス(烏羽オキザリス)、サンカクバオキザリス(三角葉オキザリス)
科属はカタバミ科カタバミ属
原産地はブラジルです。
三角の葉をもつ夏咲きのオキザリスです。
由来は△のトライアングルからです。
高さは10~12センチほどで、紫褐色の三角形の葉が特徴です。
初夏から夏にかけて、白色のまたは淡いピンクの花を咲かせます。
日中に開花し、夜間や曇りの日は閉じたままです。
秋に地上部は枯れて越冬します。

http://mie0123.blog44.fc2.com/blog-entry-262.html

http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-oxalis-triangularis_large.html

などにも良い写真があります、ご覧ください。

◆この名前が判明する過程がまるで「わらしべ長者」(私の場合「長者」じゃないんで「わらしべかかし」とでもいうべきでしょうか)

7/15にオシロイバナの実の話を書きました。そこで「化粧ごっこ」の話をし、爪を染める遊びもあったのでは、と書きました。

同日、たまたま新聞記事にネイル・アートの話が掲載され、そこに「爪紅」としてホウセンカとカタバミを使って爪を赤く染める話が出ていましたので、これも「爪紅」としてアップロードしました。

この時、カタバミ = oxialis → oxalic acid ということを確認するために、オキザリスで検索したのですね。そうしたら、カタカナで「オキザリス」と表記される園芸種があることがわかりました。

そこで、グーグルのイメージ検索で「オキザリス」を調べたら、あったのです、あの巨大カタバミが。こうやって、オキザリス・トライアングラリスにたどり着いたのでした。

不思議なものですね。

◆ところで、カタバミというのは、雑草のようでいて、日本の家紋にずいぶん使われていることを知りました。

田中 修 著「雑草のはなし」中公新書、1890 によりますと

この植物の葉っぱは、形が単純で、デザインとして美しい。その上、この植物は大地にしっかり根を張り、旺盛な繁殖力で子孫を繁栄させる。その姿を家運の発展と家系の安定に見立てて、家紋として使われる。わが国の人気のある家紋となっている。

南北朝時代の源氏の一族、新田氏の部下や、四国土佐の武将であった長宗我部氏、姫路藩主を100年間務めた酒井家が、カタバミを家紋としていたことが知られている。

http://www.otomiya.com/kamon/plant/katabami.htm には次のような記載があり、家紋の図案もいっぱい載っていました

片喰 酢漿草 かたばみ

片喰は酢漿草、鳩酢草とも書き、その優雅な形状からか古来から人気があり、文様としては平安、鎌倉時代から車や輿に多く用いられていました。片喰は荒地や畑に群生する繁殖力の強い雑草の一種で、子孫繁栄を意味するとも云われています。ソフトなイメージにも関わらず、多くの武家に愛用されましたが、バリエーションとして、より武門を強調する剣を付けた剣片喰紋もあります。日本十大紋の一つで桐紋についで広く愛用されており、山陰、北陸地方に多い紋とされています。片喰は西洋の花言葉では「賢い婦人」といいます。ハート形ですから女性に好まれますし、なかなかお洒落ではないでしょうか。

2007年7月15日 (日)

庚申堂

P713hakusanjinja ここは、大田区の白山神社です。

ときどき通りかかります。すると、道から小さな祠の裏が見えて、あれは何かな?といつも気にしていました。

P713kousindou1

機会があって先日、表に回って見ました。

庚申堂でした。

写真を撮ろうとしたら、私より少し年長の男性がちょうど花を持っていらして、写真を撮るなら、花を活けて、線香をあげてからにしてください、とおっしゃいました。で、その方が、祠を掃除したり、花立てを洗って新しい花を生けたりなさるのを見ながら、立ち話をしました。

これは、東西南北、村を囲んで4つある庚申の東の庚申だそうです。祠のお世話をする方も年々減ってしまっているそうです。でも、新しい草鞋もかかっていますね。

小さな賽銭箱もあるのですが、それを荒らす不届き者もいると嘆いておられました。

で、ひとしきりお話を伺って、写真を撮らせていただきました。

P713kousindou2

中を覗かせていただくと、こうです。

【庚申堂】庚申の青面金剛を祀った堂。[広辞苑第五版]

本当だ!奥に「青面金剛(しょうめんこんごう)」の刻まれた石碑がある。

P713kousindou3

しょうめん‐こんごう【青面金剛】顔の色が青い金剛童子。大威力があって病魔・病鬼を払い除く。六臂三眼の忿怒相をしている。民間で行われる庚申会(コウシンエ)に本尊として祀られる。[広辞苑第五版]

なるほど、腕が6本あります。興福寺の阿修羅像も三面六臂でしたね。

何かをを持っています、なんでしょう?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E9%9D%A2%E9%87%91%E5%89%9Bでは

「庚申講の本尊である青面金剛の像容は、一面三眼六臂で、手足に蛇が巻き付く姿が一般的」とありました。

http://kazekobo.cool.ne.jp/akongo.htmでは

「青面金剛の一般的な造形は、腕が4本または6本、それぞれの手には、三叉戟(さん
さげき)・法輪・剣・弓矢などを持ち、脇に童子を従え、邪鬼を踏みつけ、足元には三猿と二鶏が刻まれている。」

http://homepage2.nifty.com/koba843/kaisetsu/kaise6.htmでは

「『四天王寺庚申縁起』 には・・・一身四手、左辺の上手は三股叉を把り、下手は棒を把る。右辺の上手は掌に一輪を託し、下手は羂索を把る。其身は、青色にして大張口、狗牙は上出す。眼の赤きこと血の如くして三眼あり・・・・・」

「 要約すると、「青面金剛」は「三眼の憤怒相で四臂、それぞれの手に、三叉戟(三又になった矛のような法具)、棒、法輪、羂索(綱)を持ち、足下に二匹の邪鬼を踏まえ、両脇に二童子と四鬼神を伴う」」

こういう記述がありました。

さて、私の撮ってきた写真でどこまで判別できるか、じっくりご覧ください。

爪紅

先ほど、オシロイバナのデンプンの記事を書きました。その終りの所で、

「女の子が、ホウセンカの赤い花の花びらを、爪に塗りつけて爪を赤く染めて遊ぶ、という遊びもあったのではないでしょうか。」

こう書きました。

 ところで、今日15日の日曜日、朝日新聞の「be on Sunday」にネイルアートの話が載っていて、その最後にこういう記載がありました。(太字は筆者による)

日本では、江戸時代、「爪紅(つまべに)」と表され、使い方や心得などが史料に残っている。ホウセンカとカタバミの葉をもみ合わせて染めたり、口紅用の紅花で塗ったりしたという。だが、「絵本江戸紫」に「爪紅粉官女の化粧の具にして、下さまのすべき事にあらず」とあるように、ごく一部の高貴な身分の女性の化粧と考えられていた。

なるほどね。やはりホウセンカの花びらを使ったのですね。では、「カタバミの葉をもみ合わせて」というのはどういう意味なのでしょう?

カタバミは英語で「oxalis(オキザリス)」といいます。で、カタバミから発見された酸の名前が「oxalic acid」=「蓚酸」です。

漢字の「蓚」は本来はタデ科のスイバを意味する字だそうですが、これも「スイバ=酸葉」で、すっぱい植物ですから蓚酸を含んでいるのです。

では、ホウセンカの花とカタバミの葉をもみ合わせたらどうなるのでしょう?

実験をしていないので完全に確かとは言い切れませんが、おそらくホウセンカの花の赤い色素がカタバミの葉の蓚酸の酸性でより赤く発色するのだと思います。

植物色素には酸性で赤く発色するものが多くあることは確かです。紫キャベツやシソの葉などもそうです。

ですから、ホウセンカの花の色素を爪にしみこませてカタバミの葉をもみ合わせるときっときれいな赤に発色するのだろうと推測されます。

「化学実験 on 爪」ですね。試してみてください。レポートをお寄せください。

オシロイバナの実

Pict706osiroibanatane オシロイバナの実が熟してきました。

 

 

Pict713osiroibanami1 道に落ちるようになりましたから十分に熟したのでしょう。

何個か拾ってきました。

 

Pict713osiroibanam12 カッターナイフで傷をつけて割るとこんな感じ。

 

 

Pict713osiroibanami3 取り出して見ました。中から出てきたのが種でしょう。

子どものころの記憶しかありませんので、こんな形だったのか、と新鮮な気分。

 

Pict713osiroibanami4 中をさらに割ってみると、オシロイバナの名の由来である「白粉(おしろい)」のような白い粉が詰まっています。これは種が発芽して最初の栄養になる部分でしょう。

落花生などでは圧倒的に「油脂」ですが、オシロイバナではデンプンです。

Pict713osiroibanami5 デンプンなら「ヨウ素‐デンプン反応」をするはずですね。

ヨードチンキを水でかなり薄く薄めて、たらして見ました。

みごとにヨウ素‐デンプン反応をしてくれました。

左下は何もしていない対照です。

おしろい‐ばな【白粉花】オシロイバナ科の多年草。熱帯アメリカ原産で、江戸初期に渡来。高さ60~70センチメートル。茎の分岐点には膨れた節がある。夏から秋に数花ずつ集まり咲き、花(本来は萼)の形は漏斗状で微香があり、色は黄・紅・白など。果実は球形で堅く黒熟、中の白粉状の胚乳をおしろいの代用にした。オシロイグサ。夕化粧。[広辞苑第五版]

広辞苑には「おしろいの代用にした」とありますが、私の感覚としては大人の女性ではなく、女の子が「化粧ごっこ」の「おしろいごっこ」をしたのではなかったかと思いますが・・・違ったかな。

女の子が、ホウセンカの赤い花の花びらを、爪に塗りつけて爪を赤く染めて遊ぶ、という遊びもあったのではないでしょうか。

昔から、女の子の「化粧ごっこ」はあったと思います。今は小学生向けの化粧品が商品として売られる世の中ですからね、時代は変わったなぁ、とおじさんはため息です。

2007年7月14日 (土)

八重山吹

P713yaeyamabuki1 八重の山吹を見かけました。

そうなるともう、これですよね。

七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞかなしき

  

 

P713yaeyamabuki2

山吹を見るのは久しぶりです。

子供のころ、山吹の茎の芯を空気鉄砲の弾にして遊んだ記憶がありますが・・・。芯を取り出して、口にくわえてぽきっと折り、唾で湿らせて詰め込んで押す。こんなんじゃなかったでしたっけ?すると先に詰め込んであったのが飛び出す。

やま‐ぶき【山吹・款冬】 バラ科の落葉低木。茎は緑色で根本から分れる。春、鮮黄色の五弁花を開く。一重のものは山野に自生し、八重のものは庭園に栽植。茎の髄を山吹髄といい、玩具などに用いる。鏡草。漢名、棣棠。[広辞苑第五版]

やっぱりそうですね。広辞苑にのっていたとは。この「玩具」というのが空気鉄砲のはずです。

やまぶき‐でっぽう【山吹鉄砲】 玩具の一。篠竹などを切って筒にし、一端に山吹の髄をちぎって丸めたものを詰め、他端から棒で強く押し出すと「ぽん」と音がして山吹が飛び出す。[広辞苑第五版]

http://homepage3.nifty.com/youzantei/mitisirube/yamabukidensetu.html

ここに「道灌の山吹伝説」が解説されています。どうぞ。

2007年7月10日 (火)

ナスの花

P709nasu1 ご近所の家で栽培しているナスです。

この花の裏側も見ておくことにしましょう。

  

P709nasu2  

ナナホシテントウは肉食性でアブラムシを食べてくれますが、ナスやトマトを育てていると、ニジュウヤホシテントウが食い荒らしに来ます。さすがにあれは癪ですね。

P709nasu3

無事成長するといいですね。

ムラサキシキブ

P707murasakisikibu3 ムラサキシキブの花が咲いています。

P707murasakisikibu1P707murasakisikibu2  

 

 

 

むらさき‐しきぶ【紫式部】クマツヅラ科の落葉低木。高さ約3メートル。夏、葉のつけ根に淡紫色の小花を開き、秋に球形・紫色の美しい液果を付ける。山地に自生、観賞用にも栽培。実紫(ミムラサキ)。漢名、紫珠。[広辞苑第五版]

実の方を比較的よく見知っていましたが、今年は花に気づいたのもデジカメをいつも携帯しているおかげです。

品の良い花ですね。ごてごてせず、すっきりしています。

ブッドレア

前回ご紹介したブッドレアの花の房が満開になりました。

P707buddleja1   

  

それに代わって、この房の反対側が、花芽だけの房になりました。

P707buddleja2

蝶がいっぱい来ますように。

ツユクサ

P709tuyukusa P709tuyukusa2            

   

  

   

前にもツユクサの花はお目に掛けました。「写真で見る 植物用語」によりますと、ツユクサの雄しべは「2長雄しべ(2強雄しべ)」というのだそうです。「6本のうち2本が長い」とありました。

ということは、下に伸びている長い3本のうち葯のない真ん中のものが雌しべですね。

加えて、上のほうの「小さい花」にも見まがう黄色い4本も雄しべなんですね。3本が下向き、1本は上向きで、役割が違うように見えたけれどなぁ。参ったなぁ。

「2枚の花弁」と思っているのは何だろう?長い雄しべと雌しべの下にある白いのは何だろう?萼?苞?

さっぱりわからなくなってしまいました。

追記!!

http://homepage2.nifty.com/hih/C.communis.htm

↑このサイト見てください。ツユクサの花の構造が詳しく載っています。そうだったのかぁ、という話がたくさん載っていますので、ぜひご覧ください。

アメンボ

我が家の池にアメンボが飛来しました。素早く動くのであまりはっきりした写真は撮れないまま、またどこかへ行ってしまったようです。

水面の凹みを見て判断してください。

Pict706amenbo Pict706amenbo2

アシナガグモ

池からトンボが羽化し始めましたので、アシナガグモさんには長い間住んでいた「棒」から、ご退去願いました。殺しゃしません。遠くの木陰に連れて行ったのですが、さて、そこで生活できるか、また池に舞い戻ってくるかはわかりません。

Pict706ashinagagumo

シオヤアブ

シオヤアブが食事をしていました。肉食性です。獲物を抱えて体液を吸っていました。近づいても逃げないので、接写ができました。

Pict709sioyaabu1 Pict709sioyaabu2                  

双翅目(ハエ目)ムシヒキアブ科だそうです。

Pict709sioyaabu3 Pict709sioyaabu4

オスは腹端に白い毛があるということですので、

これはメスでしょう。

 

オスのその腹端の白い毛が「塩の塊」みたいだということで「塩屋虻」なんだそうですが、本当かなぁ。

  

ハエトリグモ

洗面所の壁に一匹。何ハエトリなのか正確なところがわかりません。でも、ハエトリグモの仲間であることは間違いありません。

Pict710hetorigumo 4対8個の眼がきちんと映っています。なかなか珍しい。

オオカマキリ

トウキョウヒメハンミョウの写真を撮っていたら、すぐそばにオオカマキリの幼虫がいました。うれしいですね。さっそく1枚スナップしました。

Pict710ookamakiri さすがですね。精悍なスタイル。しびれます。

トウキョウヒメハンミョウ

小さな昆虫なので、もう少しいい写真撮れないかな、と再チャレンジ。劇的に良い写真が撮れたとも思えませんが、ご紹介します。

Pict710toukyouhimehanmyou1 Pict710toukyouhimehanmyou2 雨があがった直後のホトトギスの葉の上です。

2007年7月 9日 (月)

モノサシトンボが羽化しました

P709monosasitonbo1 あまり近寄れないので少しピントが甘いです。

我が家の池で成長して、羽化しました。

うれしいな。

P709monosasitonbo2

いわゆるイトトンボを見る機会は外ではあまりなくって、自宅でしか見ていません。

初めて我が家にイトトンボが姿を現したときは、ドキドキしました。たぶん近くの六郷用水跡あたりから来たのでしょう。それ以来、我が家の池で繁殖してくれているようです。

蚊に食われました

Pict706hitosujisimaka トウキョウヒメハンミョウなどの写真を庭で撮っていたら、左手の甲に「薮蚊」が止まりました。

ヒトスジシマカというのが正式でしょうか。

右手にカメラ、左手に蚊、という絶好の撮影チャンスでしたが、おなかいっぱいになるまで吸血させる気にはさすがになれなくて、スナップを撮ってから叩いてしまいました。

ダツラ・メテル

P707daturametel1 P707daturametel2           

  

  

  

ダツラ・メテルの実はまだ熟していません。

花が開いてしまうと、細長い朝顔みたいですが、こんな表情も美しいと思います。

キンカンの花

Pict706kinkan キンカンの花をアップにしてみました。

可憐な花ですね。

トウキョウヒメハンミョウ(でしょう)

P706tokyohimehanmyou 今、庭にいっぱいいます。これは、ホトトギスの葉の上で撮影しました。

  

  

http://mori.blog.ocn.ne.jp/photos/insect/dsc_4852a.html
ここをみて「トウキョウヒメハンミョウ」だろうと判断しました。

P706tokyohimehanmyou2

http://www.mokichi.net/insect/tokyohimehanmyou.html
によりますと、

トウキョウヒメハンミョウ      Cicindela kaleea yedoensis
分布:本州・九州・沖縄

亜種名のyedoensisは「江戸」に由来する。

のだそうです。

名前がわかりません(4種)

P703namaesirazu P703namaesirazu2            

 

名前がわかりませんがきれいなのでご紹介します。もし、花の名をご存知の方がいらっしゃったらコメントしてください。

  P702humei1

これ不思議な花なのです。花弁が5枚見えますね。

ところが、咲きはじめのときは違うんです。

 

 

P702humei2 ちょっと見、3枚。でも、2枚重ねがふたつと、1枚の花弁とで、5枚。

どうなるんでしょうねぇ?ねじれるようにして上のような5枚状態に展開するのでしょうか?

 

P702humei3 P702humei4           

  

  

花弁の脇に花弁を挟むように「フォーク」のような(多分)萼があります。

可憐で素敵な花です。ウ~ム謎が多い。 

 

  

P630humei1

これにも参っているのですが・・・。

巨大なカタバミみたいなんです。花の雰囲気も似ているような・・・。

でも、バカでかいんです。これなんでしょう?

P630humei2

 

 

 

 

同じお家で栽培しているサボテンに花が咲いていました。なんというサボテンなのかはよくわかりません。 

P707cactus

花の咲いているサボテンとは別の種類の、サボテンだと思いますが、小さな玉のようなサボテンが鉢いっぱいに詰まっているのが写真左側に見えます。

花を拡大して見ました。

P707cactus2

きれいですね。

 

  

千日草(紅)

Pict706sennitikou1 もう一回、千日草。

Pict706sennitikou2 花のアップを試みました。

難しいですね。

Pict706sennitikou3 真上からのショット。

小花の配列が「円」ではなく、「らせん」のように見えませんか?

ヒマワリや松かさなどで有名な、らせん配列に見えるような気もします。

だとすると、ここにもフィボナッチ数列が登場するのかもしれませんが、きちんと勘定するのはやめます。眼が疲れる。

2007年7月 7日 (土)

ブッドレア

P705buddleja1 ブッドレア(Buddleja)が咲き始めました。

学名: Buddleja davidii
和名: フサフジウツギ(房藤空木)
英名: butterfly bush
フジウツギ科:フジウツギ属
原産地: 中国~日本

ということですが、「butterfly bush」という英名にあるように、アゲハチョウがよく群がると聞き込んで育て始めたものです。

アゲハの幼虫用のみかんの木はあるのですが、成虫が遊びに来てくれるのもいいな、というつもりなのですが、いまのところまだ木が小さくて、アゲハが「群れ遊ぶ」ところまでは全然到達していません。でも、楽しみにしています。

P705buddleja2

小花を拡大して見ました。中までは見えませんでした。小さい割にかなり深いですね。

千日草(千日紅)

P703sennitikou1 P703sennitikou2                     

     

    

 

せんにち‐こう【千日紅】センニチソウの別称。

せんにち‐そう【千日草】(夏から降霜期にかけて花が永く保つからいう) ヒユ科の一年草。インドの原産。茎は直立、高さ
30センチメートルで、粗毛を密生。葉は対生し、長楕円形。茎頂・枝端に、普通紅色、まれに白色の球状の頭花をつける。古くから観賞用に栽培。千日紅。[広辞苑第五版]

http://www.jtw.zaq.ne.jp/tanakun/watch2/senni.htm によりますと

白とベージュ色のボンボンが並ぶ ひゆ科.一年草.熱帯アメリカ原産.
高さ約50センチ位.
茎、葉とも粗毛を生じる.葉は長さ5~10センチの楕円形で対生、全縁.
長い花茎の先端に小花を密生した直径約2センチの球状の頭状花序を付ける.
花には5枚の花被片があり、花被片は直立し、離生するか基部で合生する.雄しべは5本、花糸は全長にわたって合着し長い筒状になっている.紫紅色で、白色のものもある.
 <ひとこと> ピンクや白の丸い花だと思われることが多いが、よく見ないと、小さな(米粒の半分位の)小粋な花を見逃す.花は拡大して見ると、黄色や白の綺麗な小花が密生しているのがわかる.夏から晩秋まで紅色の花が永くもつところからついた名前.後半は頭部が伸びて円筒形になってくる.

P703sennitikou3 P703sennitikou4

こんな具合です。今のところ4色咲いています。

キバナセンニチコウ(黄花千日紅)というのもあるそうで、同じくヒユ科。赤い花が咲く「ストロベリー・フィールズ」(Gomphrena haageana cv. Strawberry Fields)という園芸品種があるのだそうです。

園芸種はもう分りません。お手上げです。

ただ「ストロベリー・フィールズ」というと私の年齢ですとビートルズですね。Strawberry Fields Forever とPenny Lane の発売は1967年の2月だったようです。

私は高校3年生で大学受験の頃ですね。初期のビートルズは好きでしたが、この頃になるとあまり好んで聞いてはいませんでした。でも、どちらの曲もメロディーを口ずさむくらいはできます。「ストロベリー・フィールズ」と同時代人です。

ツバメのヒナ

P707tubamehina1 ツバメが抱卵しています、というお知らせはしましたが、現在、育雛中です。

眼で見て4羽と思ったのですが、6羽いるのかな、ゴメンネ。

P707tubamehina2 ひそかに立って見ていた10分間で1回だけ親が戻ってきました。一瞬だったので、あわててシャッターを切ったらぼけてしまいましたが、もうシャッターチャンスがなかったので、そのまま載せます。

たぶん食べ盛りなんでしょう。親は大変だ。

P707tubamehina3 巣の真下。糞がいっぱい。

ヒナが元気な証拠です。

以前、この場所で育雛していたら、下に駐車してボンネットに糞をかけられた人が怒って、巣を壊して行ってしまったことがあるのです。

車なんか洗えばいくらでもきれいになるのに、かけがいのない命を殺していくなんて、情けなくって、悲しくって。そんな悪業ができるのは「人間だけ」ですね。あまりにも「人間的」な所業というべきなのでしょう。

「人間なんて糞ったれ」ですが、「動物みんなウンチ」は偉大な真理です。

みんな、いっぱい食べて、いっぱいウンチして、大きくなって空を飛びまわるんだよ~。

[子育てしましたか?おむつ換えながら、ウンチはちょっと臭いけど、「まあ~いいウンチが出たね~、きもちいいねぇ~」って話しかけたりしませんでしたか?いいウンチは健康の証拠。赤ちゃんだけではありませんよ、大人もね。]

2007年7月 6日 (金)

落花生の花が咲きました

P705rakkasei1 きれいですね、落花生の花です。黄色い蝶のようです。

いかにもマメ科の花ですね。

生落花生をまいて根が出たのが5月の20日過ぎでしたから、1カ月半くらいになりますか、花が咲きました。

まいたのが少し遅い季節でしたので、草丈はまだ低いまま開花時期に至ってしまったようです。

P705rakkasei2 一株全体が見えるように撮るとこんな感じ。

 

 

 

P705rakkasei3 横姿。

 

 

P705rakkasei4 すこし立体感を出して。

濃い黄色がとても素敵です。

花というと植物体の上のほうに咲く感じがしますね。

でも、落花生の場合、結実するとき地面に潜るせいでしょうか、下のほうで咲いています。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~nakanisi/talent.html
ここに、「落花生のすべて」があります。お読みください。このサイトから詩を引用します。

   落花生讃

いつ知らず

葉は繁り

花咲きて

人知れず

土に稔りぬ

       白鳥省吾

ネコジャラシ

Pict705nekojarasi ネコジャラシです。

なかなかいい感じに撮れたと、ご機嫌です。

えのころ‐ぐさ【狗尾草】イネ科の一年草。各地の路傍の雑草。高さ20~40センチメートル。葉は線形で互生、下部は鞘状に茎を包む。
夏、緑色の犬の尾に似た穂を出す。近縁種も多く雑草となる。エノコグサ。ネコジャラシ。[広辞苑第五版]

この穂の部分を取って、軽く手のひらで握り、軽く握ったりゆるめたりすると、穂が進んでいく、という遊びをしたことはありますか?

穂のとげが斜めだという非対称性によって、手のひらの動きが一方向の動きに変換されるという現象ですね。(我ながら、理屈っぽい。)

トマトの花

P703tomato1_1 ご近所でトマトを栽培していらっしゃいます。

花を見かけましたのでご紹介。

きれいな花です。

P703tomato2

野菜の花ってあまり見かけないかもしれませんが、きれいですよ。

キョウチクトウ

P703kyoutikutou キョウチクトウの花って、クシャッとなってしまうことが多くて、なかなか花の中心部を見るチャンスが少ない花です。

きれいに開いたところを見かけましてので、スナップしてきました。

どうぞ。

キンカンの花盛り

P703kinkan1 キンカンが今花盛りです。

冬には実が楽しめます。そのまま食べてもいいし(なにせ、完全無農薬、有機栽培ですから)、シロップ漬けにしてもいいし、カップに入れて砂糖掛けてラップして、適当に「チン」するだけでも、おいしくいただけます。

P703kinkan2 花をアップ。

かんきつ類なのに、あまりアゲハが来て食べているという感じはしません。夏ミカンの葉っぱのほうがおいしいのかな。

きん‐かん【金柑】ミカン科キンカン属の常緑低木。中国から渡来、暖地で栽培。高さ約2メートル。葉は長楕円形、葉柄は狭い翼をもつ。夏の頃、葉腋に5弁の小白花を開く。果実は小形で冬に熟して黄金色となる。生のまま、または煮て食べる。酸味が強い。ヒメタチバナ。漢名、金橘。[広辞苑第五版]

[脱線] 虫刺されの薬「キンカン」は「金冠」です。アンモニアのすごいにおいがします。現在、化学室でもないところでアンモニアの臭いが嗅げるのはこの薬品くらいでしょう。ただし、メントールのにおいも強く混じっていますから、純粋なアンモニア臭ではありません。

昔、汲み取り便所しかなかった頃は、日常、家庭生活でアンモニア臭なんていくらでも嗅げたのですが・・・。

「アンモニアがアルカリ性で、それが虫の毒を中和して・・・」というような話がまことしやかに語られますが、まるっきり嘘というべきでしょう。すーすーするのが気持ちいいというだけです。

ついでに、「おしっこをかけるとおしっこの中のアンモニアが・・・」という嘘八百もよく聞きます。尿の中にアンモニアが皆無というわけではないですが、アンモニアは有毒なので、ちゃんと尿素という形に解毒されて尿中に排出されます。尿素がバクテリアに分解されればアンモニアが発生しますが、尿をかけてもアンモニアが効くというようなことは一切ありません。ただただ不潔になりやすいだけですから、おしっこを引っかけるのはやめましょう。

やぶがらし

Pict630yabukarasi1 やぶがらしです。

地味ですが雰囲気の良い花ですね。

などと思いながら、広辞苑を引いてみたら、「びんぼう」な名前が付けられていました。こりゃだめだ。私ゃ、金持ちにはなれそうにない。

やぶ‐がらし【藪枯らし・烏蘞苺】ブドウ科の多年生蔓草。路傍・空地などに生える雑草。二岐(フタマタ)になった巻鬚(マキヒゲ)で樹木などに巻きついて茂り、往々それを枯らす。葉は5小葉から成る複葉。若葉は紫褐色であるが、のち淡緑色に変る。夏、葉腋に黄緑色の小四弁花を多数散房花序につけ、のち黒色・球形の液果を結ぶ。ビンボウカズラ。ビンボウヅル。[広辞苑第五版]

「蘞」この字の意味を広辞苑で引くと

①つる草の名前。やぶがらし。びんぼうかずら。

②えぐい。いがらっぽい。

だそうで、すごい字があるものですねぇ。

トカゲ

Pict630tokage0 視野の片隅をトカゲが走りました。

ファインダーを覗く暇もなくて、デジカメのレンズを適当に「その方向」に向けてシャッターを切りました。だめかなぁ、写ってないかも、と思いながらパソコンで見たら、なんとか写っていました。

Pict630tokage1

とにかく動きが素早いので、以前からこのあたりに居ることはわかっているのですが、なかなかシャッターチャンスがなくて。

今回も、満足のいく写真ではありませんが、一応お目に掛けます。

この美しさは何ともいえません。この色合いは、まだ子どもですね。

と‐かげ【蜥蜴・●●・石竜子】トカゲ目トカゲ亜目の爬虫類の総称。形態や生活はさまざまで、体長は2センチメートル~3メートル。四肢は歩行に適するが、まったく無いヘビ形のものもある。ヤモリ・カナヘビ・トビトカゲ・カメレオンなど世界に約3千種。うちトカゲ科は6百種。その一種のトカゲは、体はやや細長い円筒状で、全長約20センチメートルに達する。体の背面は暗褐色。幼時は背面が黒く、5条の白い縦線があり、尾が青い。尾を自切して敵から逃げるが、尾はまた再生する。叢クサムラ・石垣の間隙などにすみ、昆虫・ミミズを捕食。北海道・本州・四国・九州に産。石竜(セキリヨウ)。かがみそ。かがみっちょ。[広辞苑第五版]

写真に写ったのは、ニホントカゲというべきかな。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%B2

ウィキペディアです。ご覧ください。

カナヘビと区別してください。カナヘビのほうは地味です。

◆トカゲというと「しっぽ切り」が有名ですが「自切」といいます。身に危険を感じるとみずから尻尾を切り離して、逃げます。尻尾は切り離されてもしばらく跳ねまわりますので、敵の目はそちらに向いてしまうわけです。

この自切のできる場所はきまっていて、筋肉をギュッとしめて、切り離します。ですから血も出ません。自切した面は、きれいな筋肉の束が見えます。

この再生能力が、人間の医療に応用できないか、研究されていますね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%88%87

こんなところも参考にしてください。

2007年7月 5日 (木)

イトトンボのヤゴです

Pict705itoyago1 Pitoyago  

 

イトトンボ科のヤゴです。腹部の先端から3本の「尾鰓(びさい)」というのが出ているのが特徴です。呼吸用のえらです。この形を見たらまずはイトトンボの仲間でしょう。

モノサシトンボか、アオイトトンボのヤゴだと思います。 

Pict705itoyago2

背景を変えて撮って見ました。水中の昆虫の写真はなかなかくっきりしません。背景を白くすると、とんでしまいますし。

  

  

Pict705itoyago3

ちょっとぼんやりしていますが、顔を拝見。精悍な顔つきです。 

Pict705itoygonukegara これは抜け殻です。

 

 

◆ところで、「やご」って漢字はあるのだろうか?とふと思ってしまいました。

やご【水●】トンボ類の幼虫の総称。水田・池・沼などにすみ、小動物を捕食する。やまめ。たいこむし。[広辞苑第五版]

コピーできなかった「●」はやたら難しい字です。

書籍版の広辞苑の写真を撮ってきました。

Pyagokanji

こうです。

「萬」という字の下に「虫」ですね。

音は「タイ」だそうですので、音で読めば「スイタイ」と読むのでしょう。

「タイ」は「さそり」の意味です。ですから、「水の中のさそり」ということになるのでしょう。

いかがでしょう?

ヤゴを見たら「水の中にサソリがいる」とい思ってください。

MS-IME2007で手書きを試みたら、出ました。読みは「タイ、さそり」となっています。

IE7では表示できています。

これですね。

水蠆

あらためて、こういう字です。

2007年7月 4日 (水)

羽化直前のアオスジアゲハの蛹

704aosuji 7月4日、朝の状況です。

蛹の殻が透けて、中の成虫が見えます。アオスジアゲハの特徴的な翅の模様が透けていますね。

この後、昼ごろには羽化して、飼育ケースの天井で羽を下にたらして展開し、現在体の水分を絞って、体全体を乾かしているところです。

お目に掛けたい気もしますが、フラッシュをたいて驚かせて、乾燥していない体のまま下に落ちたりすると、生きていけなくなる心配もありますので、我慢しましょう。

昨日も1頭、羽化して旅立っていきました。人間界の下劣な雑事に比べて、他の生き物たちの、生きる、真剣で厳かな姿に、心鎮まる思いです。

ビヨウヤナギの実?

6月26日付の「ビヨウヤナギ」で、花が散ってむき出しになった「子房」をご紹介しました。

P629biyouyanagimi

6月29日、子房のところが、実らしくなってきました。

植物の論理からすれば、この実が熟すると、中に種ができるのではないでしょうか?

今まで、ビヨウヤナギの種などというものを考えたことはなかったのですが、もうしばらく時間をかけて、どうなるのか見続けることにします。

植物の基本構造

◆この話では下のホームページが圧倒的に良い内容を提供しています。図もありますので、関心のある方は是非お読みください。

http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/top.html

特に「植物の基本構造」については、ここhttp://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/plan.html

「花の要素」については、ここをお読みください。
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/flower1.html

◆「写真で見る 植物用語」岩瀬徹・大野啓一 著、全国農村教育協会、2004年5月3日初版第1刷発行

 から引用します。

被子植物の花: 花はシュートの先が短縮し、特殊な形に変わったものである。その先端に心皮の合した子房がある。葯を支えるものが花糸、その下の花弁や萼片などは、いずれも葉の変形である。それぞれを花葉と呼ぶこともある。

シュート: 植物体は、シュート(shoot)と根(root)からなる。茎と葉は別の器官とされるが、茎には必ず葉をともなう。茎と葉はセットになって生長するので、これをまとめてシュートという用語を使う。苗条、葉条などの語もあるが、普通はシュートが用いられる。もとのシュートから枝分かれすれば、それは別のシュートになる。

花冠: 個々を花弁という。
萼: 個々を萼片という。
花被: 花冠と萼を合わせた語。花弁と萼片が同形のときにも使う。

苞(苞葉): 花や花序の基部にある葉。つぼみのときにはこれに包まれていた。小さな鱗片状のもの、花弁状のもの、普通の葉のようなものなどいろいろある。
花柄(花梗): 個々の花をつけている枝。
花床: 雌しべや雄しべを支えているところ。花托ともいう。

雌しべ: 花粉を受ける先端を柱頭、柱頭と子房の間を花柱という。
おしべ: 花粉をつくる葯、それを支える花糸からなる。

とまあ、こんな具合です。被子植物の「仮想的な」基本構造をまず頭に入れておくことにしましょう。もう一つ、植物も生物ですから、遺伝子を多様化させて環境に適応し、種の繁栄を期します。その基本は、花が咲いて、実がなり、種が発芽して新しい個体をつくる、というところにあります。

ところが、「現実の植物」たちは、おそろしく多様化していて、凝らされた工夫の数々に圧倒されます。

この植物の生き方、繁殖の仕方、のあらわれとしての「花」を「観照」したいというのが、私の花に接する態度なのです。

オシロイバナ

P625osiroibana1 オシロイバナが咲いています。この株は赤い花が咲きます。

おしろい‐ばな【白粉花】オシロイバナ科の多年草。熱帯アメリカ原産で、江戸初期に渡来。高さ60~70センチメートル。茎の分岐点には膨れた節がある。夏から秋に数花ずつ集まり咲き、花(本来は萼)の形は漏斗状で微香があり、色は黄・紅・白など。果実は球形で堅く黒熟、中の白粉状の胚乳をおしろいの代用にした。オシロイグサ。夕化粧。[広辞苑第五版]

英名は「common four o'clock」といい「夕方に咲く」ことを意味しているそうです。

近づくと

P625osiroibana2 赤といっても、紫がかったような独特の赤です。

きれいですね。

P625osiroibana3

花全体の姿はこんな具合。

もう一枚似たようなアングルから。

P625osiroibana4  

この赤い部分が花弁だと、普通思いますよね。でもこれは「萼」なのです。

で、花の根元あたりで緑色をした部分、普通はここが萼だと思うわけですが、実は、ここは「苞」なのです。

ややこしいですね。萼とか苞って一体何でしょう?

 花に関する私の関心は、美しいとか、癒されるとかそういうところにはあまりありませんで、植物の生きる姿としての花を見つめたいというところにあるのです。どんな工夫が凝らされているのか、その不思議に好奇心が刺激されるわけです。

◆被子植物の花の基本構造については項を別に立てて簡単に解説しますので、お読みください。

 

 

 

 

 

 

2007年7月 3日 (火)

白い桔梗

P703sirokikyou 白い桔梗です。

咲いている場所と、撮影可能な足場の関係で、横顔しか撮れません。

時々、見に行って、こっちを向いてくれないかどうか、確かめに行くことにしましょう。

き‐きょう【桔梗】キキョウ科の多年草。夏秋の頃、茎の先端に青紫色または白色の美しい5裂の鐘形花を開く。果実は サクカ。山地・草原に自生し、秋の七草の一。根は牛蒡(ゴボウ)状で太く、乾して生薬の桔梗根とし、去痰・鎮咳薬。古名、おかととき。きちこう。 [広辞苑第五版]

 

 

シオカラトンボの脱皮殻

P701siokaranukegara1_1 シオカラトンボが羽化したことは前に書きました。

そのトンボの脱皮の殻を見つけましたのでお目にかけます。

屋外では、これ以上の撮影は無理なので、部屋へ持ち込んでさらに写真を撮りました。

P701siokaranukegara2P701siokaranukegara3 P701siokaranukegara4   

P701siokaranukegara5  

 

 

 

 

 いろいろなアングルから撮って見ました。昆虫の抜けがらを見るといつも思うのですが、本当に細部まで全部抜けるのが不思議です。じっくりご覧ください。

P702siokaranukegarastereo

この写真、実は立体写真(3D写真)になっています。サムネイルをクリックして出てきた画像の、左の写真を左眼で、右の写真を右眼で見てください。立体的になります。

なかなか思うような写真にはなりませんでしたが、これから修行します。

コダカラソウ

P623kodakarasou1 コダカラソウ(子宝草)です。

(セイロン)ベンケイソウに似ていますが、やたらとこまかく芽がでます。

  不定芽というのでしょう。頂芽や腋芽以外につく芽のことです。

http://aquiya.skr.jp/zukan/Bryophyllum_Crenatodaigremontianum.html から引用

コダカラソウ(子宝草) クローンコエ 
学 名 Bryophyllum 'Crenatodaigremontianum'
分 類 ベンケイソウ科ブリオフィルム属(カランコエ属に分類される場合もある)
原 産 マダガスカル原産のコチョウノマイ(胡蝶の舞・Bryophyllum crenatum)とコダカラベンケイ=シコロベンケイ(子宝弁慶=錣弁慶・Bryophyllum igremontianum)の交配種

近寄って見ると
P623kodakarasou2

こんなぐあい。

         

P623kodakarasou3 

中央の芽も2枚が閉じて、こんなぐあい。

葉の付き方としては「十字対生」というのでしょうが、それにしても次から次へ、どんどん中へ中へ、同じように進んでいきます。

部分と全体が相似形担っている図形を、「フラクタル図形」といいますが、この際私はコダカラソウは「フラクタル植物だ」と言いたくなりました。

別の鉢のもっと成長したコダカラソウも見てください。

P629kodakarasou4

部分と全体が相似形になっています。

べんけい‐そう【弁慶草】 ベンケイソウ科ベンケイソウ属植物の総称。キリンソウ・ミセバヤ・イワレンゲなど。その一種のベンケイソウは、高さ約60センチメートルの多年草。多肉で白粉を帯びる。夏秋の頃、淡紅色の小さな五弁花を多数集散花序につける。俗間では葉をあぶり上皮を剥いで膿(ウミ)の吸出しに用いた。イキグサ。ハチマンソウ。景天。  秋 [広辞苑第五版]

たにく‐しょくぶつ【多肉植物】植物体が肥厚で、貯水組織として分化した植物の総称。乾燥・高塩分の環境に耐える。サボテン科、リュウゼツラン科、ツルナ科のマツバギク類など。園芸上はこれらのうちサボテン科以外のものの通称。[広辞苑第五版]

◆さて、セイロンベンケイソウやコダカラソウは、生物のほうで言うと「CAM植物」として有名です。

crassulacean acid metabolism の略です。ベンケイソウ型有機酸代謝、と訳します。また、多肉植物代謝といのも同義語です。

 で、それが何かといいますと、乾燥地に適応した植物なのです。葉肉を厚くすると体積の割に表面積が小さくなり、水分の蒸発を少なくすることができます。もちろん葉の表面のクチクラ層も発達していて、水分の損失を守ります。

 植物が光合成をするには空気中から二酸化炭素を取り入れる必要があります。また、生成した酸素を逃す必要もあります。その役割を果たす出入り口が「気孔」という開閉のできる穴なのですが・・・。光合成をするためには太陽光が必要です。では、太陽光が射しつけている乾燥した昼間に気孔を開いたらどうなるでしょう?せっかく逃げないようにしている水分が気孔から逃げ出してしまいます。これはマズイ。

 そこで、CAM植物では、気温が低く、湿度も高くなりがちな夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込みます。気体としてとっておく、水に溶かしてとっておく、といったやり方では大量の二酸化炭素を保存できませんので、CAM回路という化学反応回路を使って、二酸化炭素をリンゴ酸という有機酸の形に変えて水溶液として細胞内の液胞に蓄えておきます。

 昼間、日光が降り注ぐようになると、気孔を閉じたままで蓄えておいたリンゴ酸から二酸化炭素を取り出して光合成をおこなうのです。

 なんとまあ、よく工夫された仕組みですね。多肉植物を見たらこんなことを思いだしてください。

◆脇道ついでに。砂漠に適応した北アメリカの砂漠にすむ、水を飲まないカンガルーネズミのお話を一つ追加。

 哺乳動物が代謝活動をすると、必ず窒素分の老廃物を尿素の形で、尿に排出する必要があります。ヒトのように「薄い」おしっこをしたのでは、水がもったいない。で、ヒトより4倍も濃いおしっこをします。

 炭水化物にしても、脂肪にしても、分子内に水素分子があって、代謝の産物としては水の形になります。ブドウ糖180gが完全に酸化されると、108gの水ができる計算になります。代謝水といいますが、この水を使わないという手はない。

 というわけで、乾燥した昼間は湿度の高い土の穴の中にいて、夜活動することにすると、代謝水を使って、濃いおしっこをして、という生活では、水を飲む必要がないのだそうです。

 動物もすごいですね。

アカメガシワにくる虫

昨日、アカメガシワの雄花を紹介しました。その中で、葉が食われている写真も載せました。

「我が家の昆虫バイブル」のような本があるのですが、今日それを調べてみました。

自然観察と生態シリーズ★2  「野山の昆虫 ≪昆虫Ⅱ≫」中山周平 著、小学館、昭和53年(1978年)3月20日、初版第1冊発行

≪昆虫Ⅰ≫と合わせて、この2冊は、名著です。写真ではなく、すべてイラストなのですね。どこを見るべきかが判っている人の描いたイラストは下手な写真よりずっと多量の良質な情報を提供してくれます。

昆虫の名前から索引を引いてもいいし、草花、樹木などのほうから、この木に来る虫はなんていうのかな?と引いてもいいのです。成虫だけでなく、幼虫の図もあります。希少種はあまり載っていませんが、普通種は幅広く網羅されていますので、普通の用途には十分です。

我が家の子らが小さかった頃、日常生活にも、家族旅行にも必携の書でした。

◆さて、この本に「アカメガシワにくる虫」という項目が見開き2ページにわたってありました。花にはハナバチやカミキリ類などがきます。

「葉や茎をあらす虫」

■葉をあらすガの幼虫:キドクガはあまりほかではみられないが、ヨモギエダシャクは、多くの植物につく。

■ホシカメムシのなかまは幼虫・成虫とも、花によく集まってくる。アカギキンカメムシは葉裏に産卵し、孵化するまで守る習性がある。

 なるほど。虫自体は見ませんでしたが、きっとキドクガの幼虫が葉を食べたのでしょう。アカメガシワという名前が判明したことで、次々といろんなことが分かってきました。いや~、おもしろいなぁ。

http://www.kobe-c.ed.jp/shimin/shiraiwa/akgasiwa/gasi3.html
このサイトに、

アカメガシワ

花に来る虫:目立たない花に多くの昆虫が集まります。
受粉にかかわる昆虫・・・トラマルハナバチ
 
花粉を集めに来る昆虫・・・カミキリムシのなかま
 
葉や幹を荒らす虫・・・葉を食べるキドクガ
 
葉の汁を吸う・・・カメムシのなかま
 屋久島をはじめて訪問したとき、アカギキンカメムシがくっついていたのを思い浮かべます。

こんな記述がありました。写真も豊富です。ぜひご覧ください。

2007年7月 2日 (月)

アカメガシワの雄花

P616akamegasiwa1_1 6/16、馬込のPCデポへパソコンを買いに行った時のことです。

駐車場に隣接する空き地に、私にとっては見慣れぬ木に花が咲いていました。

まずは全体像をご覧ください。

P616akamegasiwa2_1 葉が下に、花が上に立つ、という感じです。

この配置が、なんだか家紋を思い起こさせました。

P616akamegasiwa3_2  

 

Kiri_1 これは桐。

Kasiwakiri_2 これは柏桐。

 

 

でも、ネットで検索しても、桐ではありませんでした。花の姿が全然違いました。

そこで、嘱託時代にお世話になった友人の生物の先生にメールで問い合わせたところ、いろいろ調べてくださって、お手を煩わせた結果、アカメガシワであるということを教えていただきました。

あかめ‐がしわ【赤芽柏】 (若葉が鮮紅色だからいう) トウダイグサ科の落葉高木。日本・中国大陸に自生、日本では二次林に多
い。高さ10メートルに達する。雌雄異株。夏、白色の花を穂状につける。材は軟らかく、床柱・下駄・薪炭などに用いる。果実の毛を集めて駆虫剤(主にサナダムシ)とする。[広辞苑第五版]

雌雄異株なのだそうです。私が見たのは雄株の雄花でした。

P616akamegasiwa4_2 P616akamegasiwa5_1 

これが雄花のアップです。

右の写真をよく見ていただくと、丸いのがつぼみで、それが開いて放射状の花が出てきたということがわかります。

まるで打ち上げ花火ですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%82%B7%E3%83%AF

http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/euphorbiaceae/akamegasiwa/akamegasiwa.htm

などをご覧ください。詳しい解説があります。

http://had0.big.ous.ac.jp/thema/nectary/nectary.htm
葉にある蜜腺は何の役割? にこんな記述があります。

葉に蜜腺が存在することの意味は何であろうか? 主にアリさんにパトロールして欲しいからであると考えられている。アリが葉をパトロールする際には,ついでにガなどの卵や孵化したばかりの毛虫などを餌として持ち帰る。植物はアリを親衛隊として雇っているわけである。
 アリが葉をパトロールしてくれるためには,甘い蜜が魅力的であるが,たくさんの蜜を分泌することは得策ではないかもしれない。アリさんが蜜だけで満足してはガの卵を持って帰ってくれないかもしれないからである。また、ガが産卵のために飛来するのは夜間であり,昼間よりも夜に分泌するほうが,より効率的であるはずである。実際、夜にたくさんのアリが蜜腺を来訪している。葉が成長して十分硬くなると、毛虫などによる食害は少なくなる。したがって,蜜の分泌は新芽を出してから葉が成熟して硬くなる間が主である。

なるほどなぁ、と思うのですが、実は、私の見たアカメガシワの葉は虫食いだらけでして

P617akamegasiwa

こんなふうに、ざっくり切られた葉だらけでした。

一体誰が、アリのパトロールをものともせず、こんな風にざっくりと切り落としたものか、わかりません。

ササグモ脱皮

P629sasagumo1 ササグモです。とげとげが特徴的なクモです。

このすぐぞばに抜け殻がついていましたので、お目に掛けます。

 

P701sasagumo2 ちゃんとぬけがらもとげとげです。

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